古陶磁鑑定美術館の新着ニュース、お知らせ配信

古備前鑑定の古陶磁鑑定美術館は、研究論文「古備前焼の年代鑑定」を出版しました。

■古備前焼の特徴、焼け肌の景色を古陶磁鑑定美術館が解説!「胡麻・緋襷・牡丹餅・青備前・伊部手」など、古備前焼の研究・鑑定の専門機関が画像で紹介。古備前焼の特徴と見分け方とは?

古備前焼」とは、江戸時代よりも前の備前焼のことを意味しています。

花籠 透かし彫り花入 透かし彫り花籠

釉薬を使わない焼き締め炻器の備前焼と言えば、茶色い土色の素朴な焼け肌をイメージする人も多いかと思いますが、実は、その景色はさまざまで、見どころ満載なのです。

古備前焼」の景色も、備前焼に劣らず魅力的です。

今回は、そんな(古)備前焼の「景色」を、古備前焼研究の第一人者、古陶磁鑑定美術館が解説します。

胡麻(ゴマ)」「緋襷/火襷(ひだすき)」「牡丹餅」「青備前」など、魅力的な古備前焼の焼け肌、景色を画像でお楽しみください。

画像6

■「胡麻(ゴマ)」
胡麻とは、窯で備前焼焼成する際の燃料である松割木の灰が降り掛かって、黄色や茶色などの釉薬調の景色が出現している焼け肌です。備前焼の焼け肌の中でも、最もメジャーな景色の一つです。江戸時代以降の作品になると、意図的に胡麻を振り掛けた景色も見られるようになります。

古陶磁鑑定美術館

■「緋襷/火襷(ひだすき)」
作品を窯詰め・焼成する際に、他の器と接してくっついてしまうのを防ぐために、素地に藁を巻き付けて焼いていましたが、その跡が襷状に模様となって表れたものを緋襷と言います。匣鉢や、他の作品の入れ子状態で焼かれた器に多く見られる模様です。

緋襷、火襷、古備前焼の模様、備前焼の焼け肌、ひだすき

■「牡丹餅」
作品同士が重なったり、火の通り道が塞がれたりすることで、焼けムラが模様となることを「抜け」などと呼んでいますが、この抜けが丸く餅のように出現した模様を「牡丹餅」と呼んでいます。この模様は、他の景色に比べて非常に美しく、数寄者や茶人に特に好まれる景色です。

古備前建水水指 古備前水指 古備前建水小

■「青備前
備前は、窯の中の酸素が行き渡らない場所(入れ子状態や匣鉢の中など)で焼かれた器に出現する景色です。すなわち、備前焼が還元状態で焼成されると、青色に発色するのです。この景色は、江戸時代の古備前焼の時代には狙って焼けるようなものではありませんでしたから、非常に貴重でした。

青備前 古備前焼の模様 備前焼の焼け肌 あおびぜん

■「伊部手(塗り土)」
伊部手(塗り土)は、江戸時代の寛永年間(1624年)頃から始められた技法で、器表に鉄分の多い友土や黒土を塗り土することで、化粧土的な装飾を施した景色です。かの大茶人、小堀遠州が指導したと伝わっています。この手法は、当時流行していた伊万里焼などの磁器に対抗して開発されました。

伊部花入 古備前花入 裏面

■「絵備前(えびぜん)」
備前は、江戸時代の中期から後期にかけて流行した技法です。絵備前と一言で言っても、藩が献上用に特別に作らせた「特注品の絵備前」と、備前の陶工が独自に開発した「絵備前」とがありますが、どちらも伝来品は少なく、貴重な品となっています。明治時代以降の小皿は、数が見られます。

絵備前 古備前焼の模様 備前焼の焼け肌 えびぜん

このように、古備前焼の景色は、まさに十人十色。時代を超えて、その景色が、当時の文化や流行を伝えてくれるのです。

あなたも、自分の好きな古備前焼の模様を探してみませんか?

古備前焼の年代鑑定 古陶磁鑑定美術館

古陶磁鑑定美術館では、安土桃山時代から江戸時代にかけての古備前焼の名品をホームページで特別に公開中です。ぜひご覧ください。

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・ホームページURL:【 https://www.oldbizen.com/ 】
・書籍案内「古備前焼の年代鑑定」:
【 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784434291814 】
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