古陶磁鑑定美術館の新着ニュース、お知らせ配信

古備前鑑定の古陶磁鑑定美術館は、研究論文「古備前焼の年代鑑定」を出版しました。

古備前焼鑑定の極意【古美術品の市場性とは?】古備前焼や古美術品は、市場性(需給・ブーム・流行)によって価格が影響を受ける。その査定・鑑定のコツを解説

【note転載】古備前鑑定の専門研究美術館「古陶磁鑑定美術館」です。

古備前焼の年代鑑定 古陶磁鑑定美術館

以下引用の導入コラムにて、『古備前焼を鑑定する際の5つの価値感』について解説しました。

【 記事引用:導入記事を読んでない方はこちらから 】

古備前焼に限らず、古美術品や骨董品の鑑定では、単純に年数や古さだけを見ている訳でなく、希少性や傷の有無や市場での人気など、総合的なバランスを評価して価値を判断します。

傷だらけの壺や破れた書物が、とても高額な評価になるのは、そのような理由があったのですね。

ということで、古備前(骨董品)がどのような要件で評価されているかを知ることは、古美術の世界や品物を、より深く理解する上で、非常に役に立ちます。

古備前焼鑑定査定評価の要点とポイント

そのため、その『5つの価値(要件)』について、それぞれ一つずつ詳しく紹介したいと思います。

5回目は、『市場性(需給環境)』についてです。

【 記事引用:1回目の記事(考古学的価値)を読んでない方はこちら 】

【 記事引用:2回目の記事(美術・芸術的価値)を読んでない方はこちら 】

【 記事引用:3回目の記事(希少性・希少価値)を読んでない方はこちら 】

【 記事引用:4回目の記事(保存状態)を読んでない方はこちら 】

「市場性=市場価値」とは、その古美術品の『需要と供給』や『人気・ブーム』などによる、需給環境を反映させた評価・査定(額)のことです。

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市場性を考慮して決定される評価額であるため、「時価評価額」などと呼ばれます。

つまり、具体的には、足元の買取相場や業者市場・オークション等で売買される取引成立額のことです。

これらは、購入価格に対して、実際に日々売買されている取引データを比較して算出されます。具体的には、オークションの販売価格や、買い取り業者の査定価格や買取価格を基に、割引率(加算率)を加えて査定価格が決定します。

鑑定証明書表紙

そのため、直近で人気の高い古美術品は、購入価格よりも高くなる傾向がありますし、反対に、人気のない美術品やブームが落ち着いた美術品は、購入価格よりも査定が低くなる場合もあります。

具体例としては、近年中国の経済成長によって、中国関連の美術品が高騰している事例があります。20年ほど前に数百万円から数千万円で購入した中国の焼き物が、なんと数億円にも値上がりしているケースが多々あるのです。

伊部花入 古備前花入 再度

もし、そのような品物を親や祖父母、先祖が保有していたら、「ラッキー」なんて思ってしまいがちですが、それには反面、リスクもあったりします。

そのような品があることを相続時に突然知ったとしたら、相続税が非常に高額になってしまうからです。それこそ、突然数千万円もの相続税が必要になってしまうケースだってあり得るでしょう。

一方で、日本の茶道具などは、人口減少や高齢化による茶道人口の減少によって、近年は値下がりしている傾向があります。終活ブームやミニマリストなどの、「モノを持たない」生き方が流行していることも関係があるかもしれません。

古備前建水水指 古備前水指 古備前建水

時価ベースでは、昭和期やバブル期であれば、数百万円以上もした高価な茶碗や花入が、最近では数十万から百万円円程度と、実に半値以下にまで安くなっている品物もしばしば見られます。

古備前焼では、一級品や名品はほとんど値下がりしていませんが、時代の新しい作品や、伝来数が多い作品や、傷や直しがある作品は、やや値下がりが大きい印象です。

しかし、このような値下がり傾向が、永遠に続く訳でもありません。なぜなら、古美術品は、現存する数が限られた、言わば「限定品」だからです。

長い目で見れば、値下がりや売却の流行が一巡した後は、再び次の需要やブームが発生し、値上がりに転じていくことでしょう。

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時代のある茶道具や古備前焼の名品を手に入れたいと考えている方は、そうなる前の今のうちに、素晴らしい名品を一点、手元に入手しておくと良いかもしれません。

このように、「市場性」は、足元の古美術品の価格や価値に大きく影響します。

そのため、古美術品や骨董品を鑑定する際は、「市場性」を見誤らないように評価、査定する必要があるのです。

それらの流行やブームに気づかないまま、買い取り業者やリサイクルショップに安値で品を売ってしまうのは、とてももったいないことです。

花籠 古備前花籠 古伊部花籠 古備前花入 古備前透かし彫り 透かし彫り花籠 古備前元和年間 古備前寛永年間 古備前鑑定 古備前鑑定委員会 古陶磁鑑定美術館

何年かに一度は、必ずと言っていいほど、数百万円から数千万円にもなるような素晴らしい古美術品が、ネットオークションなどに数万円程度の捨て値で流出してしまっているのが現状です。

そんなことをしてしまっては、せっかく長年引き継いだ「名品」が泣いてしまいます。

なので、お手持ちの古備前焼の鑑定は、ぜひ研究・調査の専門機関である古陶磁鑑定美術館にお任せください。

古陶磁鑑定美術館では、蒐集家やコレクターさまからの真贋鑑定依頼だけでなく、士業の方からの相続時の資産評価証明書(査定証明書)の発行も可能です。

また、古陶磁鑑定美術館のホームページでは、書籍「古備前焼の年代鑑定」出版記念展として、本物の安土桃山時代から江戸時代の古備前焼を特別に公開中です。

古備前焼の年代鑑定 古陶磁鑑定美術館

ぜひ、古陶磁鑑定美術館のコラムや展示会を、今後とも宜しくお願い致します。